伝わること

こないだの学期で習った記号学ってのはかなり興味深かった。
まーかなりかいつまんで話すと人ってのは今までの経験から価値観ってのを作っていて
その価値観をすべて通して世界を見てるんで同じ言葉を使っていたとしても自分が思っているその言葉の意味と相手が思ってる言葉の意味は絶対同じでは無い、ということ。


例えばcatって文字が紙に書いてあったとしてそれを見て連想することはみんな違うわけで。
猫飼ってる人は自分の飼い猫を思い浮かべたり、ある人はミュージカルのcat連想しちゃったり、ある人はトムとジェリー思い出したり…
みんな同じ「猫」という生き物に関連した事を思い浮かべるってのは共通してるけど細かく区切っちゃうとみんな全然違う事を考えるわけですよ。


てな感じで人と話している時、おおまかに言ったら同じ内容について話しててもその考えは絶対同じルートでは回ってこないわけで、
つまりは同じ言葉を話していても、相手に自分の言いたい事が完全に伝わるなんてことはあり得ない。
共通の内容であっても絶対微妙に違う。


だから私達が使ってる言葉なんて頼りないものだし、時代と共に変化してくしでいい加減なものなんだよ、って話。
みんなが同じ意味を指してはいないし不変ではない。


っつーわけでそこから私が見いだしたことは自分の言っている事が相手に伝わらない、ってのは同じ言語を喋っても当然だ、って事。
相手に理解して貰えるのは当然だ、っていう考えを捨てる必要がある。
同じ言語を喋っててもそれは相手にとって同じ意味ではない。


だから理解して貰えない可能性が多いにある、ってことを頭に入れておかなきゃいけない。
で、自分が相手になんで理解されないの?なんて悩んだり怒ったりすることは人も自分と同じである、という考えを持ってしまうからだろう。
だけど最初から違う、という事を理解しておけばそんな無駄な労力も使わないで済むんだよね。


言葉の意味も常に変わっていくし、人も変わっていく。もちろん自分も変わっていく。
人って流動的なんですな。


当たり前の事なんだけどそう理解するのが結構難しいんだなー。