長い超個人的な雑記about ART

昨日私のメジャーの卒業制作のクラスのミーティングがありました。
このクラスは学期に三回くらいしかミーティングしないもので基本的には自分の卒業制作を進めてく、っていうクラス。
卒業制作のトピックは何でも自分で好きに決めていいというもので…。


で、昨日は自分の作品の進み具合をクラスで発表する日でした。
いや〜昨日は本当に凄かった。
クラスメートのテクノロジー大好きっぷりが。



だってね、例えばセンサーに指を置くと指を置いた人の毛穴の広がり様を察知してストレス度を計る、っていう代物でコンピューター画面にグラフィックが現れて
そのストレス度によってそのグラフィックが形を変えるものだとか


音の震度を計るプログラムだとか、ビデオの映像を加工するプログラムを自分で作っちゃったりとか…


おまえらすげーよ!どんだけコンピューター好きなんだよ!って感じで。



もうねー、いつそんなの習ったの?っていう。
いや、正確にいうとそんなテクニック習ってません。
自分でみんなどんどんそういう知識を積み上げちゃってるテクノロジー大好き君達なわけです。


でも気になったことは「テクノロジーは凄いけどそれで何を表現するのか?」ってこと。
彼らはテクノロジーを追求してたけどまだそのテクノロジーを何のテーマに使うのか、
っていうのはまだ決めてなかったから。


でもそのテクノロジー、凄過ぎてついてけん!とか思ってたら
同じクラスにいる30代くらいの女性が居て彼女はそういうことやってなかったのね。
で、別にテクノロジーとかそんな使わなくてもいいんだろうけどやってることがなんていうかコマーシャルっぽくて
先生とか生徒から一斉に「それは深さが足りない」だの「それで何の意味があるの?」だのつっこみを受けてまして。


「うわー、ちょっと可哀想だわ。」とか思いつつ
確かに彼女の作品は「アート」なのか「コマーシャルデザイン」なのか微妙なラインにあったわけで
回りの批評もわかるっちゃわかる。



んでとりあえずタイムリミットを過ぎたので私の作品を見せる番が回ってこなくてまた次のミーティングまで発表するのは伸びちゃった。


とりあえずミーティングは終わったので帰ろうとするとさっきの女性が私にかけよる。
なんでか知らんけどこの人私のことが好きなんですよね。
よ〜く話しかけられる。


んでやっぱりさっきのミーティングの話が始まるわけで…
彼女めっちゃキレてました。
「深さが足りない、って言ったって他の人達だってテクノロジーは凄いかもしれないけどテーマはちゃんと決まってないじゃないのよ!」



うん、彼女の言うことは全然分かる。
でも先生とか他の生徒が何故彼女の作品に突っ込んだのもわかる。だってコマーシャルっぽいんだもん。


「深さが足りないとかいうけどそういう深い作品は今までいっぱい作ってきてもう嫌なのよ。
卒業制作なんだから自分が作りたいものを作らせて欲しいわ。
これは私が作るんでしょ?何で型にはめられないといけないの?
しかも他の人達はテクノロジー、テクノロジー、って自分の世界を追求してるだけでしょ。
私はもっと社会的な目を持って作品を作りたいのよ」


って半泣きながら訴えるこの人。



社会的な目を持って作ればコマーシャルっぽくもなる危険性もある。
でも他のテクノロジーを追求してる生徒達も訴えるテーマがしっかりとしていないと
作品を見る人に訴えかける力が弱くなってしまう。


そのバランスのちょうどよい具合を探すのはすごく難しい。


しかも卒業制作だから自分のやりたいことを追求したいのもよくわかる。
でもクラスを取ってるっていうことは他の人の目にさらされてどういった風に思われるのか、
っていう意見を聞くのも大事。
彼女の言う「社会的」とは先生やクラスのメンバーも含まなければいけないし。



クラスでテクノロジーを追求してるメンバ−達に比べたらテクノロジーについて
あまり追求してない人は努力してないように見えるのかもしれない。
だったらテーマの内容の濃さで勝負するしかないのかもしれないな。
卒業制作、ってのは自分が今までやってきたことを組み合わせて
最高の力まで持っていくことが目的なんじゃないのかな。



なーんて色々思ったけど彼女が泣きそうだったのであんまりぐさぐさ言うのもどうかと思って慰めの言葉をかけておきました。
偽善者だわ。



あとねー、そのテクノロジーを追求してるのは全部男性だったのよね。
で、女性は私を含めて三人でそっちはテクノロジー、っていうより表現する内容の方に重きを置いてる印象。


まーそんな少数で決めてもいけないけど作品を作るうえでどこに焦点をあててるのか、
っていうのはやっぱり男女間の差もあるのかな?って感じた。
男の子達は「このテクノロジーすげー!」みたいな感じでテクノロジーに対してすごく興奮しててちょっと理解できないもん。
いや、凄いしその打ち込み様はすごく尊敬するけどね。


ってなわけで作品を批評するうえでクラスの男女の割合が違ったら結構違うものになるかもな、と思った。


明日は私の番だーーー。マジで怖!!
そんなテクノロジ−持ち合わせてないよ、あたしゃ。
だからおも〜〜〜い、トピックで勝負。